南太平洋の世界

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サイクロンの大被害を受けたバヌアツ、観光立国の今を取材しました

サイクロンの大被害を受けたバヌアツ、観光立国の今を取材しました。

オーストラリア大陸の遥か西方の南太平洋の島国バヌアツ。南太平洋で発生する熱帯低気圧(サイクロン)の経路の一つにあたり度々サイクロンの接近を経験するバヌアツですが、2015年のサイクロン・パムの被害は甚大でした。観光立国バヌアツとサイクロンについてのご紹介です。

サイクロンでの被害が記録に新しいバヌアツとは

オーストラリア大陸の西方約1500km、長さ約800kmのニューヘブリディーズ諸島の83の島々から成るバヌアツ共和国、海を挟んで北にソロモン諸島、東にフィジー、南にフランスの海外領土のニューカレドニアがあります。83の島々の内、有人島は約70、人口は24万人、首都はエファテ島にあるポートビラ(人口33,900人)

南太平洋の島国 バヌアツ共和国

バヌアツ共和国一帯の海底は太平洋プレートがオーストラリアプレートに沈み込む環太平洋火山帯の一部し、バヌアツの島々の約半数は火山島です。

バヌアツの国旗

緑色は豊かな国土、赤色は独立闘争の血と団結、黒は肥沃な土地、黄色は平和とキリスト教信仰を示し、バヌアツの聖なるシンボルを配しています。

地域には4000年ほど前の人類居住の痕跡が残され、18世紀末に欧州人による植民が始まり1980年の独立までイギリス、フランスの共同統治領でした。

バヌアツの首都 ポートビラのマーケット

バヌアツは大規模な農業は発達していないため、マーケットで入手出来る野菜や果物は殆ど農薬が使われておらず、牛肉なども全てオーガニック。

バヌアツは南太平洋諸国一治安が良い国とされ、夜間一人で外出も問題ありません

バヌアツのリゾートホテル

バヌアツには意外にもゴージャスなリゾートホテルも沢山立地。島のビーチにはホテルが立ち並らんでいます。

バヌアツに大きな影響を及ぼすサイクロンとは

2015年3月に発生した巨大サイクロン・パムがバヌアツを直撃し死者を含む甚大な被害をもたらした報道は記憶に新しい所です。サイクロンには慣れているバヌアツの人々にっとても今回のサイクロンはあまりに巨大だったようです。

サイクロン・パムの衛星写真

サイクロンはインド洋及び南太平洋で発生する熱帯低気圧のこと、北西太平洋や南シナ海で発生する熱帯低気圧が台風です。

2015年3月にバヌアツを直撃したサイクロン・パムは3月8日にフィジーの北西で発生し、サイクロン・カデゴリー1(3月9日)、サイクロン・カテゴリー3(3月10日)、サイクロン・カテゴリー5(3月13日)と発達し最大勢力でバヌアツを直撃しました。

サイクロンPAM(パム)の被害

サイクロン・パムの被害状況

サイクロン・パムの最大勢力は、気圧896hPa、最大瞬間風速80m以上の猛烈なもの。

3月12日から14日にかけてこの強風と高波がバヌアツに来襲、少なくとも首都ポートビラだけで死者8名負傷者30名が報告され、主に首都を含む南部の島で被害が発生しました。

バヌアツを襲うハリケーン・パムによる高波

サイクロンの接近により首都ポートビラの家屋の90%が破壊され、集落が丸ごと喪失など大きな被害がでました。

古くから伝わるサイクロンシェルターで難を逃れた地元民も多かったようです。
台風、サイクロンなどの熱帯低気圧の観測や予報は海域毎に担当が分かれていて、北西太平洋上の台風は日本の気象庁など、南太平洋上のサイクロンについてはフィージー気象局、オーストラリア気象局などの担当です。

バヌアツへのアクセス

サイクロン被害から復興を果たしつつあるバヌアツのアクセスです。
現在日本からバヌアツへの直行便はなく、オーストラリアのシドニーブリスベンニューカレドニアのヌメア、フィジーのナンディー、ニュージーランドオークランドからの乗継となります。
シドニー ~ バヌアツ 約3時間40分
ニューカレドニア ~ バヌアツ 約1時間
・フィジー ~ バヌアツ 約1時間
ニュージーランド ~ バヌアツ 約2時間20分 

バヌアツの空の玄関 ポートビラ・バウアフィールド空港

バヌアツの玄関ポートビラ・バウアフィールド空港、首都ポートビラ中心部から北へ2kmほどにある空港。

空港設備は整っておらず、ハリケーン被害の救援物資が滞る原因にもなりました。
約800kmもの細長い列島の国バヌアツには首都のバウアフィールド空港の他に約30余りの空港が設けられ、バヌアツ航空の国内線が結んでいます。サイクロンが発生し易い季節は10月下旬から翌年5月頃までなので出来ればこのサイクロンが発生し易いシーズン(サイクロンのピークは2月から3月)は避けたいですね。

バヌアツ島内の便利な足 乗合バス(バン)

ナンバープレートに”B”の文字の入った乗り合いバス、停留所は無く運転手に行先を告げて乗るバスで慣れると非常に便利です。

バヌアツの見どころ

さてサイクロンの被害が心配なバヌアツですが、定番観光スポットのご紹介です。

メレ・カスケード(エファテ島)

首都ポートビラから車で約20分森林浴などで癒されながら滝を見ることができます。

ヤスール山(タンナ島)

世界で最も噴火口に近づくことが出来ると言われるヤスール山、火山の熱気を感じるツアーが人気です。

アオレ・アイランドリゾート(アオレ島)

エスピリトゥサント島の南東アオレ島のリゾートホテル、国際レベルのおもてなしを提供しています。

まとめ

いかがでしょうか? 南太平洋の島国”バヌアツ”、サイクロンの進路上でチョット気になりますが、魅力たっぷりのゾートです。治安も良くサイクロンオフのシーズンがお勧めです。

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